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こんにちは。院長の粟谷です。
「インプラントは一生もの」と思っている方も多いかもしれません。確かに、インプラントは非常に高い耐久性を持ち、適切なケアを行えば何十年も使い続けることができます。しかし、すべての人工物には寿命があります。
この記事では、インプラントの平均的な寿命や寿命がきた場合の対応、そして長持ちさせるために必要なケアについて、詳しく解説します。
インプラントの寿命は、一般的に10〜20年以上といわれています。条件が良ければ、30年以上機能している例もあり、一生使い続けることも可能です。
インプラントは以下の3つのパーツから成り立っています。
フィクスチャー(人工歯根):顎の骨に埋め込む金属(チタン)製のネジ
アバットメント:フィクスチャーと人工歯を連結するパーツ
上部構造:見た目の歯の部分(セラミックなど)
このうち、最も長持ちするのがフィクスチャーです。しっかり骨と結合すれば、何十年も安定して顎に留まり続けます。しかし、アバットメントや上部構造は、経年的な摩耗や破損、歯ぎしりによって定期的な交換が必要になることもあります。
インプラントにも寿命があり、寿命を迎えた場合には再治療やメンテナンスが必要です。
被せ物(人工歯)の欠け・割れ
アバットメントの緩み
インプラント周囲の腫れや出血
歯茎が下がってきた
噛み合わせが変わった
特に注意したいのがインプラント周囲炎です。天然歯の歯周病に似た症状で、放置するとインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
インプラントが機能しなくなった場合には、以下のような対処が考えられます。
上部構造のみの交換:人工歯だけが傷んでいる場合は、再度型取りをして新しい歯を作成。
アバットメントの交換:緩みや破損がある場合、部品を新調。
インプラント本体の撤去と再埋入:フィクスチャー自体が感染や骨吸収でダメになった場合は、一度撤去し、骨の再生治療後に再度インプラントを埋入します。
※すべてのケースで再治療が可能というわけではなく、骨の状態や全身の健康状態によってはインプラントを諦めることもあります。
インプラントは人工物であるため、虫歯にはなりませんが、歯周病(インプラント周囲炎)にはなります。そのため、天然歯以上にケアが重要です。
やわらかめの歯ブラシで優しく磨く
インプラント専用の歯間ブラシやフロスを使用
フッ素入りの歯磨き粉を使用(※上部構造に応じて異なる)
3〜6ヶ月に一度の定期検診
噛み合わせの調整
レントゲンで骨の状態をチェック
専用器具によるインプラント周囲の清掃
喫煙は大敵:血流が悪くなり、インプラントの成功率を下げます
歯ぎしり・食いしばりの癖:マウスピースを使用して負担を軽減
糖尿病のコントロール:免疫力が下がると、感染リスクが高くなります
天然歯は歯根膜というクッション構造があり、噛み合わせの力を吸収・調整してくれます。一方、インプラントにはこの歯根膜がないため、過剰な力が直接骨に伝わりやすいという欠点があります。
そのため、長くインプラントを維持するためには、
咬合(噛み合わせ)の管理
周囲の歯の健康維持
プロによるサポート
が欠かせません。
インプラントは、適切に使えば一生付き合える優れた治療法です。しかし、どんなに良い材料・技術を使っても、日々のケアやメンテナンスを怠ると寿命を縮めてしまうことになります。
「寿命がきたらどうなるの?」と不安に感じている方も、まずは信頼できる歯科医院で定期検診を受け、現在の状態を知ることから始めてみてください。
監修者情報
粟谷 英信(あわや ひでのぶ)
歯科医師歴15年 / 大阪大学歯学部卒業
姫路駅前グランツ歯科 院長
精密な診断と確実な治療をモットーに、多くのインプラント治療を手がける。
クリニック情報
📍 姫路駅前グランツ歯科
🏢 住所:兵庫県姫路市南畝町2-50 オーパスビル3F
📞 電話番号:079-221-8241
🕒 診療時間:月〜土 9:00〜18:00 / 日曜休診
🌐 公式HP:https://glanz-dental.com/