姫路駅前グランツ歯科
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親知らずが7番の歯周ポケットを深くする最大の理由は、
親知らずの生え方・位置・構造が、7番の清掃不良を生み、慢性的な炎症を引き起こしてしまうからです。
つまり、親知らずそのものよりも、
「親知らずと7番の間にできる“磨けない空間”(デッドスペース)」が問題の本質なのです。
✅親知らずが7番の歯周ポケットを深くする主な理由
1. 傾いた親知らずによって歯ブラシが届かない空間が生まれる
2. 親知らずが7番の歯根に圧力をかけ、骨が壊れる(骨吸収)
3. 親知らず周囲の炎症(智歯周囲炎)が7番に波及する
4. 食片圧入・細菌滞留によりプラークが深部に溜まる
5. 構造的に清掃不可能なため、歯周病が急激に進行する
このように、親知らずは単に「生えてくる歯」ではありません。
“隣の7番を失わせる原因”になりやすい歯でもあります。
実際、歯科現場では
「親知らずは無症状なのに、7番が虫歯や歯周病でボロボロ」というケースが非常に多く見られます。
当院でも、親知らずが原因で7番が重度の歯周病になっている症例を日々診療しています。
これから、専門的なメカニズムをより詳しくお伝えしていきます。
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✅親知らずが7番に悪影響を与えるメカニズム
ここでは、
「なぜ親知らずがトラブルを起こしやすいのか」
を構造レベルで理解していただけるよう、歯科医の視点で詳しく説明していきます。
■① 親知らずが“前に倒れる”と清掃不良が必ず起こる
親知らずの生え方には多くのパターンがありますが、成人の約70%は“正常な生え方ではない”と言われています。
よくある生え方は次の3つです。
• 前に倒れて生える(前傾)
• 横向きに埋まる(水平埋伏)
• 半分だけ顔を出す(半埋伏)
特に「前に倒れて7番へ寄りかかっている状態」
が最も多く、最も危険です。
▶ 歯ブラシが届かない「三角のすき間」が生まれる
倒れている親知らずと7番の間には
細長い三角形の隙間ができます。
この隙間は…
•歯ブラシが絶対に入らない
•フロスも通せない
•食べかすが常に残る
•細菌が溜まりやすい
•プラークが成熟して歯石へ変化
という“汚れの溜まり場”になります。
いくら丁寧に磨いても
物理的に磨けない構造なので、セルフケアでは限界があります。
▶ プラーク → バイオフィルム → 歯石 → 炎症へ
親知らず周囲のプラークは“逃げ場がない”ため、
深部で固まり、悪性化(バイオフィルム化)します。
この状態は、
歯科医院でしか取り除けません。
放置すると、すぐ隣の7番の歯周ポケットが深くなりやすく、最初は軽度の炎症が、徐々に深刻な歯周病へ進行します。
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■② 親知らずが7番を押すことで「骨吸収」が起こる
多くの患者さんが気づいていませんが、
親知らずは「押す力」が非常に強い歯です。
倒れた親知らずは前方(7番方向)に圧力をかけ続けます。
▶ 歯根の周囲にある“骨”が壊れる(骨吸収)
親知らずが押し続けると、
7番の歯根周囲の骨が少しずつ破壊されます。
これを歯科では「骨吸収」と呼びます。
骨が減ると…
•7番の歯を支える力が弱くなる
•歯周ポケットが深くなる
•細菌がさらに入りやすくなる
•歯周病が急速に進行する
こういった、負の連鎖が続きます。
CTで診断すると、7番の根の部分が“えぐれたように欠けている”症例も珍しくありません。
▶ 骨がなくなると歯周病は一気に悪化
骨吸収が起こった部分は、清掃が難しいだけでなく、一度失われた骨は自然に戻りません。つまり、
親知らずがある限り、7番の歯は常にダメージを受け続けます。
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■③ 智歯周囲炎の炎症が7番へ波及する
親知らず周囲の炎症「智歯周囲炎」は、
•20代〜30代
•忙しくて受診が遅れがちな人
•過労・睡眠不足・ストレスが多い時期
に特に起こりやすい病気です。
▶ 親知らずの周りは“汚れが溜まりやすい構造”
親知らず周囲は…
•歯ぐきがかぶっている
•空洞ができている
•深いポケットがある
•そこに食片が入りこむ
という理由で炎症が起こりやすく、炎症はすぐ隣の7番へ広がります。
▶ 智歯周囲炎 → 7番歯周病の流れ
1. 親知らず周囲が腫れる
2. 細菌が奥へ進む
3. 7番の歯周ポケットに炎症が拡大
4. ポケットが深くなる
5. 7番の根元に虫歯ができる
6. 進行すると7番の寿命が縮む
特に、親知らずの炎症は再発しやすいという点が大きな問題です。
腫れ → 落ち着く → 腫れ → 落ち着く
を繰り返すたびに、7番のダメージが蓄積します。
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■④ 親知らずが原因で“7番の虫歯”が発生する
親知らずは虫歯になりやすい歯ですが、
実はそのさらに手前の 7番の虫歯を引き起こす一番の原因でもあります。
▶ なぜ7番の虫歯が多いのか?
•プラークが溜まる
•フロスが通らない
•歯ブラシが届かない
•影になって見えにくい
結果として、気づいた時には大きな虫歯になっているというケースが非常に多いです。
▶ 特に危険なのが“根元の虫歯”
親知らずが当たっている部分は見えにくいため、
•根の近くの虫歯
•進行性の根面カリエス
•神経の治療が必要な虫歯
•最悪のケースでは抜歯
に至るケースもあります。当院でも、「親知らずを放置していた結果、7番を抜くしかないという患者さんを何度も診ています。
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✅7番の歯周ポケットが深くなると何が起こる?
7番は奥歯の中でもとても重要な歯です。
もしこの歯を失うと、噛み合わせ全体へ強い悪影響が生まれます。
ここでは7番のポケットが深くなることで起こる問題を詳しく見ていきます。
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■① 虫歯・根面カリエスの危険性が急上昇
7番の奥側は“非常に見えにくい”ため、
虫歯が発見されづらいという特徴があります。
親知らずとの隙間に虫歯ができると…
•進行が早い
•気づきにくい
•痛みが出にくい
•レントゲンでも見えにくい
そのため、見つかった時には重度の虫歯になっていることがよくあります。
■根元(歯根部)の虫歯は特に危険
歯の根元はエナメル質が薄く、
虫歯の進行が早い部分です。
治療しても再発しやすく、悪化すると
根の治療 → 冠 → 再発 → 抜歯
という流れになりかねません。
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■② ポケットが深くなると歯周病が急速に進行する
ポケットが4mm、5mm、6mmと深くなるにつれ、歯周病は急激に悪化していきます。
•歯が揺れ始める(動揺度)
•噛みにくくなる
•歯ぐきが下がる
•膿が出る
•口臭が強くなる
7番は噛み合わせの支点であるため、動揺すると生活の質が大きく下がります。
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■③ 口臭の原因になる
親知らず周囲のポケットに溜まった膿は、
独特の強い臭いを発します。
歯ブラシをしても取れない臭いで、
歯科医院でのポケット洗浄が必要になるケースです。
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■④ 噛み合わせが崩れ、他の歯へ負担が広がる
7番は噛む力を最も強く受けている“主役の奥歯”です。
この歯の健康が損なわれると…
•他の歯が負担過多になる
•噛み合わせがズレる
•顎関節の不調(音・痛み)
•頭痛や肩こり
といった全身の不調へつながることもあります。
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✅親知らずの向き・状態別「危険度チェック」
当院で使用している臨床基準に近い形で、親知らずの危険度を以下にまとめます。
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● 危険度【高】(早めの受診が必要)
•水平埋伏で7番に当たっている
•半埋伏 + 腫れを繰り返す
•7番側が虫歯になっている
•ポケット4mm以上
•歯ぐきから膿が出る
•レントゲンで骨吸収が確認できる
これらに該当する場合、7番を守るために早期処置が必要です。
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● 危険度【中】(状態によっては抜歯)
•親知らずが斜めに生えている
•奥が磨きにくい
•口臭が強い
•一度腫れたが落ち着いている
•時々違和感がある
このゾーンの多くは、半年〜1年の間に悪化しやすいため、定期管理が重要です。
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● 危険度【低】(経過観察でOK)
•完全に真っすぐ生えている
•清掃できている
•問題なく噛めている
•レントゲンで異常なし
まれに“理想的な親知らず”がありますが、本当に問題ないか判断するにはCTが最も確実です。
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✅自宅ケアでできること/できないこと🪥
親知らず周囲のトラブルは、
“自己流ケアでなんとかしようとするほど悪化しやすい”
という特徴があります。
ここでは、自宅ケアの限界について明確にしていきます。
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■自宅ケアでできること
• 歯間ブラシ
• フロス
• うがい薬の使用
• 電動ブラシによるケア
• 食後すぐの歯磨き
• できる範囲でのデンタルケア習慣
もちろん、日々の清掃はとても重要です。
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しかし、
■自宅ケアでは“絶対にできないこと”
1.歯周ポケット深部のバイオフィルム除去
2.ポケット内部についた歯石の除去
3.親知らずと7番の隙間の細菌除去
4.骨吸収の進行の停止
5.親知らずの向きの改善
6.炎症の根本治療
構造上、ケアできない場所がある以上、自宅ケアをどれだけ頑張っても限界があります。
この“限界を超えてしまっている状態”が、まさに 親知らず周囲のトラブル なのです。
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✅ 症状別:親知らずは抜くべき?その判断基準
親知らずは
「抜くべき?抜かなくてもいい?」
という相談が非常に多い歯です。
ここでは、症状別に判断基準を解説します。
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■抜歯すべきケース
•7番に虫歯がある
•7番の歯周ポケットが4mm以上
•親知らずが手前の歯に当たっている
•骨吸収が始まっている
•智歯周囲炎を繰り返す
•半埋伏・水平埋伏
•汚れが絶対に取れない構造
これらに該当する方は、親知らずを残すことで7番の寿命が縮む可能性が高いです。
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■抜かなくてもいいケース
•完全に真っすぐ生えている
•清掃性が高い
•7番に影響なし
•炎症なし
•レントゲンで問題なし
ただし、本当に抜かずに済むのか判断するには、
CT撮影が必須です。
レントゲンだけでは分からない“根の位置・角度”が存在するためです。
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✅ 親知らず治療の特徴
親知らずと7番のトラブルは、早期発見が何より大切です。
当院では以下の特徴をもとに、親知らず治療と保存治療を行っています。
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■① 歯科用CTによる精密診断
レントゲンでは見えない
•親知らずの角度
•神経との距離
•骨の厚み
•7番の骨吸収
•根の形態
などを立体的に確認できます。
症状が軽くてもCTでトラブルが見つかるケースは非常に多いです。
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■② 7番を守る“保存治療”を最優先
私たちはできるかぎり歯を残す診療を大切にしています。
• 歯周ポケットの初期治療
• バイオフィルム除去(SRP)
• ポケット洗浄
• 根面カリエスの早期治療
• クリーニング
• メンテナンス間隔の調整
これらで7番の寿命を最大限に延ばします。
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■③ 痛みの少ない親知らず抜歯
• 表面麻酔
• 電動麻酔
• 細い麻酔針
• 経験豊富な歯科医師が担当
• 術後の痛みを抑えるケアを徹底
患者さんから
「思ったより早かった」「痛くなかった」
という声を多くいただいています。
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■④ 完全個室・衛生的な診療環境
• プライバシー配慮
• 滅菌管理の徹底
• 落ち着いた空間で治療
• 女性の患者様も安心できる環境
親知らず治療は心理的不安が大きいため、
できるだけ安心していただける環境を整えています。
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✅よくある質問(Q&A)
ここでは、患者さんからよくいただく質問に詳しくお答えします。
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■Q1:親知らずを抜くと腫れますか?
腫れの程度は、親知らずの向き・深さ・位置によって大きく異なります。
• 真っすぐ生えている → ほぼ腫れない
• 半埋伏 → 1〜2日やや腫れることがある
• 水平埋伏 → 腫れが出ることがある
• 症状が強い状態で抜く → 腫れやすい
GLANZ DENTAL CLINICでは、術前に腫れや痛みを最小限にする治療計画を立てています。
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■Q2:費用はどれくらい?
多くの場合、保険適用です。
• 軽度の抜歯:1,500〜3,000円前後
• 難抜歯:3,000〜5,000円前後
CT撮影も必要に応じて保険適用です。
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■Q3:抜歯しないで放置したらどうなる?
以下のリスクが高くなります。
• 7番の虫歯
• 7番の歯周病
• 骨吸収
• 炎症の繰り返し
• 噛み合わせへの悪影響
• 強い口臭
• 最終的に7番の抜歯
親知らずよりも7番を守ることが最優先と考えるべきです。
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■Q4:妊娠中でも抜歯できますか?
体調が安定している 妊娠中期(安定期) であれば、
可能なケースが多いです。
レントゲンは必要に応じて防護下で最小限にできます。
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■Q5:親知らずが痛い時はどうしたらいい?
•強く歯磨きをしない
•冷やしすぎない
•うがいをしすぎない(炎症が広がる)
•早めに歯科医院へ連絡する
市販薬で一時的に痛みが引いても、原因はそのまま残っています。
親知らずのお悩みの方は、是非
GLANZ DENTAL CLINICまでお電話ください🦷✨
【監修者情報】
・M.M
・歯科衛生士
・2年
・姫路歯科衛生専門学校
・笑顔と大切な歯を守れるように努めます🦷
===
【クリニック情報】
📍 姫路駅前グランツ歯科
🏢 住所:兵庫県姫路市南畝町2-50 オーパスビル3F
📞 電話番号:079-221-8241
🕒 診療時間:月〜土 9:00〜18:00 / 日曜休診
🌐 公式HP:https://glanz-dental.com/